空き家管理のすすめ その①

熊本行政代執行

先日、熊本市中央区で「行政代執行」がありました。熊本市中央区の都市計画道路沿いの住宅で、
熊本県と熊本市の職員ら約60人が家財道具を外に運び出し、電気や水道、ガスを止める作業をしました。
道路拡幅に伴う移転交渉が進まず、2019年11月に県の収用委員会で熊本市への明け渡しが決定。10月、県が住宅を強制的に撤去する行政代執行に着手しましたが、解体方針を検討するため中断していました。住宅は代執行の対象ではない部分にもかかっていますが、建物が老朽化し、一部を残すと危険だという判断から、すべて解体する方針が決定しました。代執行の後、道路から約4メートルの土地、約34平方メートルが熊本市に引き渡されるということです。

というニュースが流れてきました。確かに、建物の老朽化は進んでおり、これでは、通行の妨げにもなりそうですね。
もし、人や車に、建物の一部が落ちてきたりしたら、大変な事故になるところです。

行政代執行とは?

空家等対策特別措置法により全国の市町村で可能になった、「行政代執行」。一体どのような制度なのでしょうか。
行政代執行とは、所有者に代わり、行政が適正管理に向けた取り組みを行うことです。道路に越境している木の枝を切ったり、放置されているゴミを撤去したり、倒壊しそうな家屋を解体したりすることができます。何度も改善を要求しているにも関わらず所有者が対応してくれない場合、行政が強制的に敷地に立ち入り、必要な対策を取るというものです。
ただし、これらの適正管理は本来、空き家所有者の責任です。行政代執行が行われるのは、緊急性が高いと判断された時のみで、行政代執行の費用は所有者に請求されることになります。
しかし、「放置しておけば行政が勝手に対処してくれる」と考えるのは間違っています。行政代執行は空き家所有者にとって全くメリットがないものだからです。

行政代執行の解体費用

まず、行政代執行で請求される費用は通常よりも高い可能性があります。例えば解体をする場合。自分で解体の依頼先を探す場合、少しでも安い施工会社を探そうとインターネットで情報収集したり、相見積りを取ったりすることが一般的です。

しかし、行政代執行を行う解体業者を選ぶのは行政職員です。彼らは最も安い会社を探して依頼するわけではありません。そのため、解体費用が比較的高額になってしまう傾向にあり、樹木の伐採やゴミ処分、建物の修繕についても同様です。

行政代執行の費用は税金です。
さらに、行政代執行の費用は税金債務として扱われます。これは、行政代執行に要した費用の支払いがされない場合、税金と同様の回収が行われるということです。

税金を滞納した場合、どうなるかご存知ですか?役所は税金債務の回収を目的として、その人が所有する不動産を差押えて公売(行政による競売)にかけることができます。
もちろん、所有者の同意は必要ありません。つまり、行政代執行が行われてしまった場合、その費用を支払わなければ所有している財産を勝手に売却されてしまうのです。この差押えされる財産は、行政代執行がされた空き家に限りません。今住んでいる自宅や乗っている車も差押さえることができます。

所在地                 行政代執行の対象物       費用
神奈川県横須賀市             木造戸建の解体       約150万円
奈良県桜井市               木造戸建の解体
                 ※建築基準法に基づいた解体    約250万円
大分県別府市              木造アパートの解体      約510万円
東京都葛飾区              木造戸建の解体        約180万円
兵庫県明石市              木造戸建の解体        約100万円
長野県高森町              木造戸建の一部解体
                (屋根とその下部分の外壁)     約30万円
東京都品川区              ゴミの撤去          約200万円
山口県宇部市              木造戸建の解体
                   ※略式代執行         約265万円
北海道室蘭市              木造戸建の解体        約800万円

などです。
なかなか高い金額のものもありますね。

行政代執行を回避するために

行政代執行が、空き家所有者にとって最も避けるべき事態だということはお分かりいただけましたでしょうか。比較的高い金額で工事がされた挙句、その支払いを拒めば自宅などが差押えされてしまうのです。行政代執行がされないためにも、普段から所有している空き家を適正管理していくことが重要なのです。

空き家などのご相談はくんえい総建へ

もしかすると、行政が解体などをすると、税金がつかわれているのではないか?と考える人もいるのではないでしょうか?
私も思っていました。(結果的に税金にはかわりないのですが・・・)それが所有者のもとへ支払いがきて、支払わなかった場合差し押さえなどになるというのは、はじめて知りました。
よく調べてみると、特定空き家にしていされ、勧告を受けると、「住宅用地の特例措置」が適用されなくなり、固定資産税もかなりしはらわなければいけなくなるようです。

くんえいそうけんでは、空き家の解体、またその中にある不用品の処分も行なっております。上記のようなことになる前に
是非いちどご相談されてみてください。

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