台風対策と防災安全ガイド その③

台風対策と防災安全ガイド その③

台風の後片付け時の作業を安全に行うには?

台風に備えていても、どうしても被害が出てしまうことはあります。被害がでれば、後片付けが必要です。しかし、台風の後片付けは注意点が多く、ときには危険をともなう場合もあるため、正しい知識と方法で行うことが重要となります。

そこで今回は、台風被害にあったときの後片付けについて詳しく解説します。

片付けが必要な台風被害とは?

まずは、台風によって発生する被害について簡単に確認します。どのようなトラブルが起こるのかを把握し、対処法や対策に役立てましょう。
前回のブログでもどのようなことに注意すればいいのか詳しく書いていますのでご覧ください。

風による被害

暴風によって、屋根や自転車が飛ぶ、飛来物で壁や窓ガラスが割れる被害が発生します。家の外に置いてあった物が、吹き飛ばされることもあります。農家のビニールハウスが飛ばされたり、農作物がなぎ倒されたりする被害も発生します。

水による被害

川の水や下水道があふれると、市街地や畑が浸水する被害が発生します。住宅が浸水した場合、そのまま放置しておくと、建物にカビが生えたり、木材が腐ったりする可能性があります。住宅や畑に流れ込む水は、泥やホコリ、ゴミを含んでおり、床上まで浸水した場合、家の中まで汚損してしまいます。また、風によって屋根が飛んだり、飛来物が住宅に衝突したりして、建物が損傷、雨漏りによって同様のトラブルが発生することもあります。

台風では、大量の雨がまとまった範囲に一気に降るため、地面が水を排水しきれなくなります。こうなると、がけ崩れや地すべり、土石流が発生し市街地を襲うことがあります。家屋が土砂で埋まってしまうこともあれば、道路や家の中が大量の土や石、泥が侵入することもあります。

台風被害の片付けをする前に

浸水被害の掃除や片付けをするときの服装

    ヘルメットや帽子、タオルで頭を保護する
    ゴーグルをつけて目を保護する
     ※コンタクトを使用している場合は必須
鼻口   マスクをつける
     ※できれば防塵マスクが好ましい
トップス 長袖のシャツやジャージを着用する
     ※防水・防風のものであれば、水を吸ったり汚れたりするのを防げる
ボトムス 長ズボンを着用する
     ※ポケットが多く防水・防風性がある作業用のズボンが理想
腕手   ゴム手袋をつける
     ※中に軍手をつけるとムレにくくなる
     長靴、または安全靴を履く
脚    ※長ズボンは長靴の中に入れる

台風の後片付け中に潜む3つのリスクと対策

台風による被害の後片付けは、簡単なものではありません。手間も時間もかかります。しかし、もっと注意しなければならないのが、作業中に発生しうる健康被害です。ここでは、片付け中に気を付けたいポイントと対策を紹介します。

①感染症

川や下水道からあふれた泥水は、さまざまな菌を含んでおり、非常に不衛生なものです。そのため、作業中に感染症にかかるケースが多く、なかには命にかかわる重大な症状が出る場合もあります。

破傷風
土の中にいる破傷風菌が、傷口から侵入することで、発症します。神経障害や口のしびれがおもな症状で、症状が進行すると、全身の痙攣が起こり、死に至ることもあります。ケガがある場合は、泥水や土に傷口が触れないよう、防水性のある衣類を着用し、露出を避けてください。作業中にケガをした場合は、すぐに汚れを洗い流し、深い傷の場合はすぐに受診が必要です。破傷風ワクチンを打っているかも、確認しましょう。

ウイルス結膜炎
被災現場では、乾燥した砂やホコリが大気中に浮遊しており、それらが目に入ることで眼球が傷ついたり、細菌が入ったりしてウイルス結膜炎を起こすことがあります。作業中に汚れた手で目をこすってしまったり、汚れた手でコンタクトレンズを触ったりすることで、症状が出ることもあります。おもな症状は、目の充血や目の違和感、涙や目ヤニなどです。作業中はゴーグルを着用し、目を触らない、作業後は手指をしっかり消毒することで防ぐことができます。

レジオネラ症
レジオネラ属菌による細菌感染症で、重度の肺炎や筋肉痛、高熱、胸痛などを引き起こします。中高年がかかりやすく、昏睡や幻覚、四肢の震えといった中枢真剣の症状も出ます。急激に悪化する傾向があり、死亡するケースも。レジオネラ属菌は、河川や水を含む土壌に生息しており、菌を含む水が体内に入ったり、水しぶきを吸い込んだりしてかかります。口と鼻をしっかりマスクで覆って作業をすることが重要です。

レプトスピラ症
病原体レプトスピラは、保有する家畜やネズミなどの尿に存在します。同時に、その尿に汚染された水や土壌にも存在しており、水害で水や泥に含まれて運ばれてきます。発症すると、頭痛や発熱、筋肉痛をはじめ、吐き気や下痢などの症状が出ます。また、進行すると、肝機能や腎機能にも異常が表れ、死亡するケースもあります。こちらも、肌の露出を抑え、マスクで鼻口を覆って作業することで防ぐことができます。

②食中毒

作業中に、食事をして食中毒になる場合があります。作業後に、手指をしっかり洗ったり、消毒したりしなかった場合や、水害が発生した住宅にあった食品を食べることで起きる可能性があります。とくに、水に浸かってしまった食品は、洗っても菌が残っている可能性があるため、生で食べるのは控えてください。作業のためのお弁当を保冷せずに保管していた場合も、食べるころには菌が増殖している可能性があるため要注意です。食中毒を起こす病原菌のなかには、100度まで熱しても死なないものもあるため、菌が発生する前に食べる、ラップや手袋をして作るといった対策が有効です。

③熱中症

作業中の熱中症も、よく報告されています。とくに、高齢者は体温の上昇や脱水状態に気づきにくく、死に至った事例もあります。そのため、のどが渇く前に、こまめな水分補給を心がけましょう。気分が悪かったり、吐き気がしたりする場合は、涼しい日陰で横になり、首や頭の後ろ、わきの下などを氷で冷やしてください。ろれつが回らないなど手足がしびれている、意識が朦朧としているなどの症状があれば、すぐに救急車を呼びましょう。熱中症は、水分補給はもちろん、こまめに休憩したり、体温を下げたりすることで防ぐことができます。水筒や冷感タオルなどを持って、作業することも大切です。

台風後の片づけのまとめ

今回は、台風の被害にあったときの、掃除や片付けについて詳しく紹介しました。台風の強風や大雨によって大きな被害が出た場合、被害が発生したからといって、すぐに清掃を始めれば良いというわけではありません。被害状況の確認を行い、罹災証明書や火災保険の申請を行いましょう。被害状況の確認を正確に行わなければ、支援や補償が不足する事態にもなりかねません。

台風後の片付け等労力を伴います。特に屋根など自身での確認は危険をともなう場合もあり、被害を受けたあとは身体的にも精神的にも疲れているため、プロに任せておけば負担を減らすこともできます。そのような時はくんえい総建へご相談ください。上記のような台風被害などの片付けはもちろん、不用品処分をおこなっております。
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