空き家管理のすすめ その2

行政代執行2

前回は、行政代執行がどのようなものかを説明いたしました。
では行政代執行に至る、「特定空家」どのような状態にある建物をいうのでしょうか?
もし、所有する空き家が「特定空家」に該当する場合は、近隣住民の方々に危険を及ぼす可能性があるので、一刻も早く、適切な管理をすることをお勧めいたします。

1.倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

倒壊など保安上危険となるおそれがある空き家は、特定空き家に指定されるケースがあります。保安上危険となるかどうかを判断する条件としては、建物が倒壊する恐れがあるケース、屋根や外壁が脱落する恐れがあるケース、擁壁が老朽化し危険となるケースなどが挙げられます。
このような状態を判断するには、基礎部分に不同沈下があり、建築物が傾いているかどうかなどを見て総合的に判断されます。

2.著しく衛生上有害となるおそれのある状態

そのまま放置すれば衛生上で著しく有害となるおそれがある空き家は、特定空き家に指定されるケースがあります。

衛生上有害となるかどうかを判断する条件としては、主に建物や設備の破損が原因であるケース、もしくはごみなどの放置や不法投棄が原因であるケースの2つがあります。

たとえばアスベストが飛散し暴露する可能性が高い状態や、浄化槽の破損によって汚物が流出している状態、ごみが放置され臭気や害虫が発生している状態などが該当します。

3.適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態

たとえば立木の倒壊や枝折れによって枝が敷地外に散乱していたり、建物に動物が住み着いたことで鳴き声や糞尿などの被害が発生していたりして、近隣住民の生活に悪影響を及ぼしている場合が該当します。

他にも、建物が適切に管理されていないことで不審者が侵入したり、屋根からの落雪で通行が妨げられていたりする場合などが例として挙げられます。

4.その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

既存の景観計画やルールに著しく適合していない空き家は、特定空き家に指定されるケースがあります。これは、景観法にもとづいて景観計画を策定している場合、空き家が形態意匠などの制限に適合していない場合が該当します。

他にも、適切な管理が行われないことによって外壁の落書きが放置されていたり、窓ガラスが割れたままになっていたりする場合などが例として挙げられます。

特定空き家に指定されたとしても、その要因となった不適切な部分を改善することで特定空き家の指定を取り消してもらうことが可能です。
たとえば立木や雑草などが近隣にまで悪影響を与えている場合は、伐採して適切な状態にすることで特定空き家から解除してもらえる可能性があります。

特定空き家に指定されない為の対策3つ

特定空き家に指定されるのは空き家が管理されていないことが原因となるため、適切に対処すれば特定空き家に指定されることはありません。最後に、特定空き家に指定されないための対策を紹介していきます。

1:空き家を賃貸にして運用する

賃貸物件のニーズがあるエリアであれば、空き家を賃貸に転用して運用するのがおすすめです。特に戸建ての賃貸は供給が少ないため、郊外であっても入居者が見つかるケースがあります。
無事に入居者が見つかれば、家賃収入によって管理費用も賄えるでしょう。

2:空き家を売り払う

運用するのが難しい場合は空き家を売却してしまうのが効率的です。ニーズがないと思われるような物件であっても、不動産一括査定サービスなどを利用すれば値段がつく可能性もあります。

3:空き家を清潔に保つ

賃貸物件への転用や売却をせず所有したままにする場合は、適切に管理して清潔な状態に保つようにしましょう。清潔に保つことで、将来的に空き家で生活することも可能になります。
自身で管理できないという場合は、庭木の手入れや清掃などを行ってくれる空き家巡回サービスなどを利用するのがおすすめです。

管理ができていない空き家は特定空き家に指定されるリスクがあります。特定空き家に指定される不動産の状態や特定空き家に指定された際の措置、特定空き家に指定されないための対策などを参考に、空き家を適切に管理して特定空き家に指定されないよう気を付けましょう。

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